あげそげコラム

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コラム掲載号:20171020

米子歌舞伎の一本刀土俵入り

 米子歌舞伎保存会は結成六十五周年、十年前に始まった「子どもと大人の合同歌舞伎」は今年も続けられ、今年の出演者には米子北斗高校、北斗中学校の生徒が多数加わっている。石川晄太郎君6歳も最年少で出演。演目は「一本刀土俵入り」

 

 

 相撲部屋を破門された取的・茂兵衛は、空腹でふらふらさまよううち、酌婦のお蔦(おつた)に助けられる。…十年後、渡世人となった茂兵衛はお蔦のことを尋ねてやってくるが、ヤクザ相手にイカサマ賭博をやった辰三郎に間違われて、博労の親方・儀十の子分たちに打ちかかられる。実は辰三郎は、お蔦の夫だった。… 指導・水木典歌/殺陣・上田福美/舞台・米子舞台。十月二十八日(土)開演13:00(開場12:30)米子市公会堂。料金五百円(小中高生は無料)問合せ080-1927-5325

 

 

選挙を憲法で考えよう

 

 総選挙終盤、問題を整理して考えないと、訳が分からなった。

 憲法が一番大切と普通は考える。憲法は今の権利を守り、将来の夢を示している。憲法とは、権力が世論を踏みにじって憲法に違反したり暴走したりないように、国民が政府に足かせをはめるのだというのが立憲主義で、これを否定するものは民主主義者ではない。 日清戦争から太平洋戦争までの半世紀を反省して、再びあのような殺戮・殺人・焦土・被爆・国民の抑圧・飢餓・窮乏の体験は味わいたくないという深刻な思いから、憲法の平和主義は生まれた。戦争放棄し、戦力は持たない決意をした。その象徴が憲法九条だ。世界に誇る日本製の憲法だということは定説になった。

 様々ないきさつから、自衛隊が生まれた。既成事実として誰もが認めることになった。しかし、戦闘行為はしないことにしていた。海外に出ても戦闘状態のところには行かないことになっていた。他国は9条があるから、平和主義の国と認めており、海外のNGOの人たちも守られていた。

 しかし、その歯止めが取り外された。集団的自衛権が認められ、安保法制が作られ、戦争できる国になった。憲法の性格が変わった。

 この状態で、今総選挙を迎えている。

 戦争のできる国に変えたままで憲法を書き換えようという政党と、安保法制を止め、立憲主義と憲法の平和主義を取り戻そうという政党と、が二つに分かれて選挙戦を戦う。マスコミは3極の選択だというが、2極ではないだろうか。世論調査の結果とは逆でも改憲を掲げる政党と、元に戻して敗戦当時に痛感した平和の大切さを守ろうという政党との2極の戦いと見るのが、正確なのではないだろうか。一票の重みが今回ほど問われる選挙はない。

 

(河中信孝)

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