あげそげコラム

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コラム掲載号:20170922

ブンナよ、木からおりてこい

 米子市民劇場9月例会は水上勉原作の作品を青年座が上演する。

 主人公の「ブンナ」はトノサマガエルの子どもで、ツチガエルより餌をとるのも、高く跳ぶのも得意で少しおごっていた。ある日、ツチガエルたちのひきとめるのも振り切って、ブンナは梢に天国があると信じて、近くにそびえるシイの木を登り始め、一日かけてたどり着く。そこには大きな穴があいており土もあって、太陽が輝き、風に草花がそよぎ、うまい虫までが飛んでいる。 まさに天国だと眠り込むが、…翌朝目を覚ますと土の上には鳶(トビ)に捕まって傷ついたスズメとモズがいた。次々と連れてこられる傷ついた百舌、鼠、蛇たち。彼等は「死」を前に壮絶な戦いを繰り広げる。そこはトビが餌をためておく餌場だったのだ。天国から地獄に突き落とされたブンナは…

 青年座は一九五四年十人の俳優で結成されたが、この「ブンナ」は結成二十四年後の初演以来、演出家五人によっておよそ四十年間さまざまに上演されてきた稀有の財産演目。東日本大震災よって、我々は「命」の重さと「絆」の大切さを学んだが、こうした時代にこそ、「命のつながり」「生きることの素晴らしさ」をストレー卜に伝えるこの舞台が大きな意味を持っていると考える。今回は待望の「2ステージ」&「ファミリー例会」で、今生き方を迷うおとなたちにも観てほしい。会員のお子さん・お孫さん(小四~高三)も一緒に鑑賞できます。

 

 

九月三十日(土)開演19:00/十月一日(日)開演13:30 米子市文化ホール 

会員募集中。入会金千円、月会費大人2100円、学生千五百円、高校生以下千円。当日入会可。近隣市の講演・松江二十七日、鳥取二十八日、出雲二十九日。問合せ0859-33-8695

 

地震予知は出来るのか

 日本地震予知学会会長早川正士氏はメルマガで、関東地方周辺の大地震発生について警鐘を鳴らしている。長年の研究で、大きな地震が迫ってくると、地圏(地下)、大気圏(地上)、電離圏(宇宙)に異常をきたすという。東南海地震は今やだれでも近いのではないかと考えている。

 さらに長尾年恭教授(東海大学)がCSOを務めるDuMAで、東北地方海域での地下天気図解析の結果、静穏化がピークを超えた可能性がある事がわかったという。さらに、「東北地方北部では、M7クラス(ないしそれ以上の規模)の地震発生準備がかなり進んでいる可能性が高い」と指摘している。それ以外の地区でも、巨大地震が発生しない保証はない。不安をあおる気はないが、福島原発の重大事故が終息も見えていない現在、原発再稼働などしていいものだろうか。 

(河中信孝)

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