あげそげコラム

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コラム掲載号:20170818

広島・隅屋のたたら絵図

 伯耆国たたら顕彰会の活発な活動は目を見張るものがあるが、今回「たたらの楽校夏期講座」として、広島県太田町に伝わるたたら操業の絵巻「芸州加計・隅屋鉄山絵巻」についての講演会と展示を行う。

 

 およそ四百年前に始まった「隅屋たたら」は奥出雲、奥日野と並んで砂鉄に恵まれた所。かんな流しから玉鋼の製造まで一貫した産鉄業を営んできた。しかし製鉄業は周辺の森林を伐採し、山を切り崩し、環境破壊をもたらし面もあり、広島市街地の太田川デルタは作ったが、かんな流しはやめて、石見地方から砂鉄を移入して操業を続けたと言われる。その様子は後に宮崎駿監督のアニメ映画「もののけ姫」の題材にもなっている。この地は広島と石見を結ぶ街道の結節点。 鉄で作られる石見神楽の道具類は今も街道筋にあたる加計で作っているという。

 

 

 その風土が生んだ絵図2巻にはたたら操業の模様が詳細にわたって生き生きと描かれている。このような絵巻は全国でも数少なく、一九八一年に広島県の重要文化財に指定されている。

 

 

講座は八月二十日(日)13:30~15:00会場は日野町根雨「たたらの楽校・根雨楽舎」(近藤家向かい)講師は藤原洋一さん(伯耆国たたら顕彰会事務局長)

 展示は開催中、二十七日までの土、日のみ。

 

 

熊森協会福井県に提言

 

 九州北部豪雨災害の主な原因は植え過ぎた人工林だとして、日本熊森協会本部森山まり子会長らが福岡県庁を訪れ、知事あてに申し入れた。「今回の九州北部豪雨で発生した大量の土砂や流木の主な流出原因は、造りすぎた人工林にある」として、林業形態の抜本的な見直しや、人工林の自然林化、スギ・ヒノキの再造林の中止などを求める福岡県知事宛ての提言書を、林業振興課に提出した。

 また、福岡県庁記者クラブで記者会見を行い、台風や豪雨のたびに繰り返される痛ましい甚大被害を防ぐために、これまでメディアがタブー視して書こうとしなかった「人工林が崩れやすい訳」を勇気をもって書いてほしいと訴えた。

 今回熊森協会は「民間が声を上げる以外にこの国を救う方法はないと一大決心して、福岡県庁に出向きました。

写真や地図、図表、データなどをそろえて発表しました。」と語っている。

 

(河中信孝)

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