あげそげコラム

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コラム掲載号:20170818

『動けば雷電の如く』米子公演に向けて

 劇団はぐるま座『動けば雷電の如く』米子公演(実行委員長/杉原弘一郎氏)は、約四〇名の実行委員と、多くの方々の協力による精力的な取り組みが進められています。高杉没一五〇年の今年、鳥取県では初の公演となります。

 『動けば雷電の如く』は、明治維新を先頭に立って切り開いた高杉晋作と、その原動力となった農民、町人、商人たちの姿を生き生きと描き出した二時間三〇分の舞台です。

 

 

 舞台では、高杉が奇兵隊という庶民の自由な武装を許し、世直しの為の奇兵隊を作ったこと(一五〇以上もの身分・職業を越えた諸隊が生まれた)。

 また、外国軍との戦争の敗北から講和談判の交渉に当たった高杉が、彦島割譲の要求を跳ね除け独立を守り抜いたこと。

 更に、幕府の第一次長州征伐が迫ると、藩政府は幕府に恭順し、高杉や奇兵隊を壊滅に追い込むなかで、高杉はわずか八〇名で挙兵し、当時の五○万の庶民と共に内戦を勝利に導き、倒幕へと藩の方針を統一した姿を、史実を基に熱く描いています。

 今、本当に国民を思い、その先頭に立つリーダーがいるだろうかと考えるとき、高杉と庶民の結束の強さはどこからくるのだろうかと、よく考えます。みんなが求めているリーダーを育て地域の活性化のチカラとなる取り組みをしたいと思っています。

 

 

 米子に来て間もない頃、市役所駐車場前の公園で女性の方が提灯を揚げている姿に引き込まれ、偶然にも伝承部の方と事務局の方にお話を聞くことができました。翌日に戴いた三〇年史を読み、すっかりこのお祭に魅了されました。その一つは、子ども万灯や、大人の稽古、他のお祭などでも活躍される伝承部の活動です。

 また、淀江の子ども万灯は、毎年参加者が変わるそうですが、毎日体育館で子ども達と汗を流す指導者の姿に、お祭にかける熱い思いを知りました。本番までに、子どもたちも大人も、誰もが沢山の人の支えで上達していく。汗を流しながら、新しいふるさとの文化を、しっかり伝承し続けておられる姿勢に、奇兵隊の精神をみるようでした。

 練習を見学させていただいた「菜の花万灯隊」の皆さん、淀江こども会の皆さん、事務局の方をはじめ、関係者の皆さん、ありがとうございました。米子の熱い思いを、これからも沢山学んで舞台に生かしていきたいと思います。

(劇団はぐるま座 米子公演事務局 宇田川 純)

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