あげそげコラム

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コラム掲載号:20170721

祐生コレクションより「全国の駅弁掛け紙展」

  • 「伊勢参宮順路図」1880年(明治13)
    「伊勢参宮順路図」1880年(明治13)
  • 「出雲大社全景」1922年(大正11)
    「出雲大社全景」1922年(大正11)

 地図の表現方法には、上空より垂直に見下ろした「平面図」や上空より斜めに見下ろした「俯瞰図(ふかんず)」・「鳥瞰図(ちょうかんず)」というものがあります。明治時代には『真景図』といわれる風景を写実的に描いた「鳥瞰図」が、景勝地や温泉地などで多く作成されました。

 

 平安時代に始まる貴族の観音霊場巡礼は、室町時代に西国一般民衆の間でも三十三所の参詣が始まり、それが東国、秩父へと拡大していきました。江戸時代には街道も整備され、旅の案内も作られるようになり、伊勢参り、金刀比羅参り、四国八十八ヵ所めぐり、善光寺参りなど庶民の間で盛んに行われるようになりました。このため土産物として社寺においても平面図では表現できない遠近感のある絵地図によって細密な境内図が作成されました。

 

 本展では、祐生コレクションから明治・大正時代に神社仏閣等で制作された真景図67点を紹介しています。「曹洞宗大本山総持寺全図」は、1911年(明治44)に能登から横浜市鶴見に移転新築した頃のものと思われます。すっきりとした境内で左上には富士山が描かれています。また、「曹洞宗大本山永平寺改築全図」は、1916年(大正15)に作成された改築図です。1880年(明治13) の「伊勢参宮順路図」と1923年(大正12)の「伊勢名所順路図」は、約40年間の変化を比較することができます。1924年(大正13)に制作された「大阪旧城図」は、1614~15年(慶長19~元和元)の大坂の役の豊臣方と徳川方の布陣が描かれています。図の中央下方には真田丸も見ることができます。

 

 皆さんがご存じの社寺の「真景図」を見ながら明治・大正の頃にタイムスリップしてはいかがでしょうか。

 

                       祐生出会いの館 野口玲子

 

【期   日】平成29年6月10日(土)〜7月31日(月)
【開 館 時 間】

9時〜17時

【休 館 日】火曜日
【問い合わせ】南部町祐生で会いの館 TEL&FAX.0859-66-4755
【入 館 料】一般300円、高校・大学生200円

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