あげそげコラム

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コラム掲載号:20170623

今年も子育て順調です!


 南部町の「町の鳥」に制定されている、幸せの青い鳥ブッポウソウ。今年も、保全保護のために町内各所で設置された巣箱で、順調に子育てが進んでいます。1つの巣には平均4個の白い卵が産みつけられ、早いところでは6月中旬に孵化します。これから巣立つまでの間、ブッポウソウの親は餌運びで忙しです。ヒナは、アブラゼミやオニヤンマ、カミキリムシの仲間など、大きな飛ぶ虫をたっぷりと与えられ、すくすくと大きくなり、9月には越冬地のボルネオ方面へと旅立っていきます。

 

 

●南部町の観察会は7/2(日)!

 

 もうすぐ定員一杯になりそうですが、7月2日(日)に地域おこし協力隊主催の「ブッポウソウ観察会」が開催されます。室内からのんびりブッポウソウを見ることが出来る町内でも珍しい観察場所です。ウォッチングタイムと座学タイムの2部構成で、珍しい標本なども展示予定です。ホンモノの「青い鳥」なんて見たことがないとう方にも是非、南部町でその初体験をして頂ければと思います。

 集合場所は、南部町市山地区の「農産加工施設えぷろん」の駐車場で、午前10時よりスタート。参加費は、大人1000円、高校生以下800円、小学生以下500円です。お問い合わせは、南部町観光協会のFacebookか、0859(30)4822までご連絡下さい。

 他、野鳥の会鳥取県支部でも、7月9日(日)に三朝町で、7月16日(日)に日南町でブッポウソウ観察会が予定されています。詳しくは、支部の公式HPをご確認下さい。

 

 

●巣箱の場所はナイショです!

 

 ブッポウソウだけでなく、珍しい生き物の生息地や繁殖地情報は、基本的に非公開とすることがマナーとされています。巣箱の場所が分かるような地区名や画像がSNSなどで拡散されると、沢山の観察者やカメラマンが集まり、ブッポウソウの餌運びが出来なくなって、繁殖妨害になったり、車を農道などに停めっぱなしにされて、農耕車の移動を妨げたり、ゴミなどを捨てられたり、田んぼの畔を壊されたりと、多くのトラブルが発生します。ブッポウソウのためにも、地元の方のためにも、希少種をインターネットで紹介される場合は、情報の取扱いに細心の注意を払いましょう。特に最近のスマートフォンやデジタルカメラは、GPS機能による位置情報も画像のデータに残ることがあり、それを解除しないままネットに投稿すると、ピンポイントで場所がたぐられます。また、個人で観察する時は車の中から眺めるなど、出来るだけ姿を見られないようにしましょう。一方で、農家の方が巣のそばで草刈りなどの田んぼ仕事をされている時は、ブッポウソウは気にせずに巣の出入りをすることもあります。きっと、自分たちに関心があるかないかが分かっているのかもしれません。毎年繰り返されている森の宝石ブッポウソウの営み。豊かな森と良好な水辺があるからこその里帰り。みなさんで見守っていければと思います。

 

【プロフィール】

自然観察指導員 桐原真希

昭和48年生まれ、南部町在住、2児の母。

東京農業大学卒。平成11年より夫婦で鳥取にIターン。

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