あげそげコラム

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コラム掲載号:20160421

FPコラム

 こんにちは!ファイナンシャルプランナーのキムラミキです。このコラムでは、毎回、日常生活の中にある、「お金」に関するテーマについて、わかりやすくお話をしています。

 さて、今回のテーマは「近視眼的行動バイアス」。

 

金融リテラシー調査

 金融広報中央広報委員会が「金融リテラシー調査」を行いました。これは、18歳以上の個人の金融リテラシー(お金の知識・判断力)の現状把握を目的とする、わが国初の大規模調査です。

 

都道府県分析

 その調査の中に、都道府県別分析があり、鳥取県と島根県で両極端な結果となっている項目がありました。それは、「近視眼的バイアスが強い人の割合」。鳥取県は堂々の1位、島根県は46位という結果になっていました。

 

近視眼的行動?

 近視眼的行動とは、目先の利益にとらわれるあまり、長期的にみると自分に不利益となる行動を選択してしまったり、逆に、目先の労力や心理的な負担を避けるために、長期的には自分のためになる金融行動を回避・先送りしてしまったりする心理的傾向のことをいいます。

 

バイアスとは?

 消費者が意思決定を行う際に生ずる、規則性のある判断の偏りのことを、バイアスといいます。

 つまり、近視眼的バイアスが強い人の割合が低い島根県民は、目先よりも長期的視点で行動選択をする傾向が強いといえますが、判断の先送りにつながる可能性もあります。

また、近視眼的バイアスが強い人の割合が高い鳥取県民は損をしたくない!という慎重な気持ちが裏目に出てしまう傾向が強いといえます。

 

どちらがいいの?

 行動経済学という学問では、人間の消費行動にみられる不合理行動について研究されています。

 近視眼的行動バイアスを含む、行動バイアスも、行動経済学の考え方のひとつです。この行動バイアスは悪者ではありません。そのような思考傾向があるということを知ることが大切なのだと思います。このコラムが日ごろの思考傾向の振り返りにつながれば幸いに思います。

 

 

 

◆プロフィール◆

株式会社ラフデッサン代表取締役。

笑い(ラフ)のある生活設計のご提案をモットーにコラム執筆の他、セミナー講師、個人の家計改善相談、法人コンサルティング等々多方面で活躍中!障がい等で学習に困り感のある子供たちの学習支援教室も主宰している。

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