あげそげコラム

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コラム掲載号:20170324

第十八回年賀状 版画コンクール審査結果

 板祐生は、一流の版画作家五十人で構成される年賀状交換会「榛(はん)の会」の一員に招かれ、一九三六年(昭和十一)の年賀状から参加しました。それまで、収集物を正確に伝える為に工夫・努力したガリ版版画でありましたが、棟方志功、稲垣稔次郎、武井武雄、橋本興家、平塚運一、関野凖一郎、川上澄生等々の芸術家と並べられることになり、創作作品の制作を迫られるようになりました。三年も経つと祐生作品は芸術性の高いものへと向上し、五年後には一流の中に混じって遜色ない独自の境地へと発展しました。

 当館では祐生が腕を磨いた年賀状版画制作を記念して、毎年年賀状版画コンクールを実施し、今年で十八回となりました。全国から三七五点が寄せられ、何れも手法が異なり見応えのある作品ばかりです。小学生、中学生は学校や版画教室で作ったものですが、一般の応募者は、いずれ劣らぬ腕に覚えのある方ばかりで、審査に当たっては何時も苦渋の決断をせざるを得ませんでした。

 当館のコンクールは、「年賀状版画」ですので、要素が二つあります。版画としてうまくできているかという事は大事ですが、もう一方で「もらってうれしい」という相手方を意識して作られている事も重要です。今年は酉年ですので、色彩も様々で、今にも鳴き出しそうな鳥や優しい表情の鳥と、見応えあるものになっています。 応募作品展示は三月三十一日までですが、入賞作品はしばらくの間ロビーに展示していますので、どうぞごらんください。

 祐生出会いの館 猪原加代子

 

【開館時間】九時~午後五時

【休館日】火曜日

【入館料】一般三百円、高校・大学生二百円

【TEL/FAX】

 (六六)四七五五

 

【一般の部】祐生大賞

岐阜県

【中学生の部】祐生大賞

米子市立加茂中学校二年

【小学生の部】祐生大賞

名古屋市立小幡小学校六年

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