あげそげコラム

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コラム掲載号:20170303

モーツァルト「レクイエム」

 神童、天才と謳われ、その一生を音楽に捧げた作曲家モーツァルト。映画「アマデウス」をご覧になった方も多いでしょう。天真爛漫、饒舌というイメージの裏で、実は誰よりも研究熱心で音楽のためなら命を削るような努力と時間を惜しまなかったといいます。 

 レクイエム(死者のためのミサ曲)はモーツァルト最後の作品です。作曲を依頼された時、すでに体調が 悪かった彼は自らの死期を予感していたのでしょうか、「これは僕のためのミサ曲です。」と手紙に残しています。病床で必死に作曲を続けましたが、「涙の日」を途中まで書いたところで 力尽き、35歳の若さでこの世を去りました。彼の死後、弟子のジュスマイヤーが補筆して完成したこの曲は、ヴェルディ、フォーレと並んで三大レクイエムと呼ばれ、今も世界中で演奏されています。

 一音一音に刻まれた魂の慟哭と悲愴なまでの祈り、慰めと安らぎに満ちた旋律、どの曲も哀しいほどに心に迫ってきます。美しく崇高な響きに満ち溢れた名曲です。

 その名曲を3月12日(日)米子市公会堂にて米子第九合唱団とミンクス室内オーケストラ、そして東京ユニバーサルフィルハーモニー管弦楽団常任指揮者の松岡究(まつおか はかる)さんと演奏を彩る実力派のソリストとともに公演会を行います。

 

米子第九合唱団とは

 1985年「県民による第九公演実行委員会」が発足、公募で集まった合唱・オーケストラ団員がベートーヴェン作曲「交響曲第九番」を演奏した。以後、ほぼ毎年県内各地で「第九公演」を開催している。

 1990年、米子市での公演をより積極的に進めるため、地元参加者が中心となって「第九米子公演推進委員会」を発足。以来、定期的に行われる「第九米子公演」はもとより、下部組織である合唱部会が名称を「米子第九合唱団」として合唱団員を公募し、オーケストラとの共演曲を選んで公演を行い、鳥取県の音楽文化向上の一翼を担ってきた。現在、米子市を中心に県内外から集まった団員で構成されている。

 

ミンクス室内オーケストラとは

 1986年に結成、常任指揮者に松岡究さんを迎え、プロとアマチュアの混成で2管編成と小さなオーケストラだが、小編成ならではの緻密なアンサンブルとより高い音楽を求めるという姿勢でハイレベルな音楽作りを堅持し、毎回多くの聴衆を魅了している。

 

3月12日(日) 米子市公会堂 14:00開演(13:20開場)

入場料:一般1,500円(当日1,800円)全席自由

高校生以下 500円(当日500円)全席自由

お問い合わせ先 第九米子公演推進委員会事務局 TEL.0859-31-1266

 

(冨山拓朗)

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