あげそげコラム

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コラム掲載号:20230908

『小説 生田長江』来年年明けに

 烏取県日野町貝原の出身で、明治大正.昭和にかけて活躍した翻訳家・批評家、生田長江(ちょうこう)の顕彰が多くの方々のお力で、進んできている。
 平塚らいてう(読みは、らいちょう)の名は、今も新聞などでも時折、見かける著名人だが、このらいてうに、女性だけの手で作る初めての雑誌『青鞜(せいとう)』を発刊するよう勧めたのが生田長江だ。
 大正デモクラシーの流れの先駆けとして、男女同権の主張を掲げて華々しく登場した青鞜社と雑誌『青鞜』は、生田長江が平塚らいてうに何度も発刊を勧めて、その資金はらいてうのお母さん光沢(つや)さんが出してくれるはずとまで教えて実現したもの。お母さんは娘の結婚資金から百円を出してくれて、第1号を刊行することが出来た。
 長江はハンセン病に悩みながらも、その差別をものともせず、翻訳や評論活動など多くの著作を出版した他、後輩として多くの有為な人材を世に出すなど、社会的な活動を旺盛に展開した。日本で初めてのニーチェ全集を発刊して、また雑誌『反響』を出版するなど、大きな足跡を残して五十四歳でこの世を 去った。
 今、この長江の半生を小説として読みやすく紹介しようと、小説『TATARA』『天の蛍』『日南Ⅹ』などでおなじみの、鳥取県米子市在住の作家、松本薫さんが、『小説 生田長江(仮)』の執筆に取り組んでいただいている。
 この小説化によって、長江はグッと手元に引き寄せられ、親しみやすく誰にも理解でき、その存在を地域内外に広く知ってもらえることになると期待される。
 来年一月には出版の予定だが、この出版を成功に導くため、今から、「小説生田長江を出版する会」を作り、この書籍の頒布に力を合わせて成功させたいと考え、会員を募集している。
 趣旨ご賛同いただき、この会に加わっていただいて、購入予約など、可能な範囲で拡販にお力添えいただきたいと願っています。
 不肖・河中が発起人代表となっており、「小説生田長江を発刊する会」が事業主体。
 発起人には安達幸博・飯田頼昭・生田求・岡行男・神庭賢一・杉原幹雄・砂流誠吾・田貝英雄・田口郁江・永井伸和・松田暢子・矢辺慎一・山根美奈子、各氏(敬称略)など錚々たるメンバーを揃えていただいた。
 協力団体としては、「白つつじの会」生田長江顕彰会をはじめ、日野町男女共同推進会議ひの・伯者国たたら顕彰会・生田長江ゆかりの延暦寺・日野町商工会・JA鳥取西部日野支所・奥日野ガイド倶楽部・日野町観光協会・日野金融会などが加わって頂いている。
 どうか、『小説 生田長江』完成・発刊の際にはご協力よろしくお願い申し上げます。

お問合せ=090-5375-0716

 

(河中信孝)

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