あげそげコラム

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コラム掲載号:20230818

足立美術館特別展三十日まで

「夏の横山大観コレクション展―探してみよう!小さなモチーフ」現在、夏季特別展が開催中、八月三十日(水)まで。

 「日本画壇を彩る東西の巨匠たち」と題して、横山大観、菱田春草ら主に日本美術院で活躍した東京画壇の画家たちと、竹内栖鳳、山元春挙ら京都画壇の画家たちの作品を紹介する。日本画壇を彩った東西の巨匠たちの芸術が堪能できる。

 竹内 栖鳳(せいほう一八六四年十二月生まれ)日本画家。一八八一年(明治十四)年から四条派の幸野楳嶺(こうのばいれい)に師事。翌年、第1回内国絵画共進会に『雁(がん)に双鶴(そうかく)』『瀑布(ばくふ)』が入選。以後、四条派の手法に古画風を交えた作品によって多くの共進会や内外の博覧会での受賞を重ねた。近代日本画の先駆者で、画歴は半世紀に及び、戦前の京都画壇を代表する大家。帝室技芸員。第1回文化勲章受章者。京都の若手画家の先鋭として、新古美術会や日本絵画協会などに出品する。

 山元春挙(しゅんきょ一八七二明治四年生まれ)は、明治から昭和初期にかけて活動した円山四条派の日本画家。別号に円融斎、一徹居士。竹内栖鳳と共に、近代京都画壇を代表する画家。滋賀県滋賀郡膳所町(現在の大津市中庄付近)で生まれ、打出小学校卒業後、十二~十三歳で遠縁にあたる京都の日本画家野村文挙に入門。明治二十四年(一九九一年)、竹内栖鳳、菊池芳文らと青年絵画懇親会を結成。明治二十八(一九九五)年に生駒ため(匡子)と結婚。明治三十四年(一九〇一年)第7回新古美術品展に出品した『法塵一掃』が1等2席となり、春挙の出世作となった。明治三十七年(一九〇二年)セントルイス万博の視察を目的とした欧米出張が命じられ、最初に渡米した。大正六年(一九一七年)には病床に就き、七月十二日死去。享年六十三。十五日に本葬が営まれて従四位に叙せられた。戒名は奇嶽院春挙一徹居士。

 また、美術館の隣には開館五十周年を迎えた2020年、足立美術館所蔵の北大路魯山人(ろさんじん)の作品を展示する魯山人館が開館した。魯山人の作品を鑑賞するために設計された展示空間で、陶芸、書画、漆芸と多岐にわたる魯山人の芸術が観覧できる。

 現代日本画名品選Ⅰ「建物のある風景」(1階)現在開催中~八月九日(水)まで。

 新館1階展示室では「建物のある風景」と題し、建物が描かれた日本画を、2階展示室では「理想を追い続ける画家たち」と題して、画家たちが長年追い続けている美の世界をご紹介している。

 足立美術館は安来市古川町320 電話番号 0854-28-7111

 

(河中信孝)

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