あげそげコラム

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コラム掲載号:20230623

とっとり邦楽合奏団演奏会

「未来につなぐ絲音のひびき」を謳った合奏団の演奏会が開かれる。

 倉吉で開かれている音楽の祭典・アザレアのまち音楽祭では琴の大御所・大西瑞香さんが主催するこの合奏団が流派を超えたレベルの高い合奏団として演奏した。このような合奏団を作ろうなどこれまでの鳥取県では考えられなかったことで、それを、実現させた大西瑞香さんの優れたリーダー性も評価する声が高い。

 今回の演奏会の特徴は、琴の演奏を主体にしつつ、作曲者の大西瑞香さんの語りを交えながらの「淀屋ものがたり」、「米子八景」などの披露だろう。「米子八景」については、既にCDがリリースされているが、県内最高の演奏者たちが集う「とっとり邦楽合奏団」の演奏を注目したい。

 

 

とっとり邦楽合奏団演奏会【賛助出演】古屋輝夫(尺八)、【友情出演】小西顕山(尺八)仙田裕二(和太鼓)上田正雄(和太鼓) 七月一日(土)開場13時30分/ 開演14時 米子コンベンションセンター(小ホール)入場料一般千五百円・小中高生無料。

 演奏曲目は春の海幻想、米子八景、大型・低音の十七弦の琴二面を用いるために作曲された一章、さらし風手事、風の歌など。問合わせ086-231-3531

 

指画家 濱田珠鳳 遺作展

 

 鳥取県日野町出身の濱田珠鳳さんは五十歳を過ぎてから夢を追い求めて留学するなど、精力的な活動をされ、一年半前、惜しまれて天国へ旅立たれた。

 およそ四十年前、二十年にわたって単身中国に渡り、花鳥山水画を学び、中国・唐の時代の伝統画法「指画」に出会い、日本唯一の指画家として創作活動と普及に尽力された。

  米子市上福原の自宅・アトリエは開放的で誰でもふらりと訪れることが出来た。周りには作品が立てかけられ、足の踏み場もなかったが暖かいスペースだった。

 

濱田珠鳳遺作展 今日から七月四日(火)まで。米子市美術館・第1・第2展示室。10時~18時(最終日は15時まで)

 作品は日光東照宮、武雄神社、金剛寺など国内二十八社寺、国外では中国天台宗総本山国清寺、米国ホワイトハウスなどに奉納し、収蔵されている。2012年に法務大臣表彰、2018年に藍綬褒章を受賞された。

 

(河中信孝)

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