板祐生は絵を描くことを好みました。少年期から、雑誌を求めては掲載される一流の画家の作品を模写して、技量を高めていました。教員として勤務するようになると、十八歳の若さで毎月発行される学校新聞の編集も任されるようになりました。その他、新聞社に看板図案を応募したり、皆生温泉の看板作製に招かれたりした記録もあります。
江戸時代に発達した浮世絵は明治時代になってからも続けられました。明治になってからの浮世絵は、画題がそれまでの役者絵や風景画から近代日本の姿も登場し、雰囲気を一新しました。
一方、近代日本画家による和紙に摺られた画帳が発行されたり、新聞社や女性を対象とした雑誌では、著名な日本画家による美人画保存版を付録として発行したりしたので、祐生はこれを購入し残しました。
このたび、祐生が興趣を抱いて収集した浮世絵を始め当時の一流画家による画集や雑誌の付録を125点展示しました。これらに囲まれて心和ませ、人に楽しんでもらえる作品づくりに心を砕いていた趣味人、板祐生に思いを馳せていただければ幸いです。
(祐生出会いの館 猪原加代子)
【開催期間】 | 令和5年4月1日(土)~5月29日(月) |
【開館時間】 | 9時~17時 |
【休館日】 | 火曜日 |
【入館料】 | 一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料 |
【問い合わせ】 | 南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008 TEL/FAX 0859(66)4755 |