あげそげコラム

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コラム掲載号:20230324

津軽三味線の名手竹山米子で演奏

 高橋竹山は現在二代目が活躍中だが、故初代竹山の映画と二代目竹山の生演奏が全国キャラバンを続けており、米子でも上映・演奏される。
 故初代竹山は明治に生まれ、麻疹(はしか)で視力のほとんどを失った。貧しい暮らしの中、生きるためには三味線を習い門付けをしながら乞食同然に彷徨うしかなかった。
 また二代目竹山は師、初代竹山に見込まれ、長く付き従うが、一九九七年に襲名した彼女を認め、竹山と呼ぶ人は少なかった。青森市での単独コンサートは一度も開かれてこなかったが、二代目は悲惨な体験を味わった沖縄や、師が旅芸人時代に大津波に逢い命の危険にさらされた三陸・野田村などを巡り、初代竹山を再確認していく。
 生前、竹山は「津軽のカマリ(匂い)がわきでるような音をだしたい」と語っていた。二代目は津軽に久しぶりに帰り、再び師と向き合い、襲名後、初となる青森市内での単独コンサートで目の覚めるような素晴らしい三味線の音を響かせた。
 十九年前鈍行列車に揺られ東北各地を巡るうち、映画作家大西功一氏は津軽半島北西部の日本海岸にある十三湖の強い悲しみを湛えた情景が忘れられずにいた。その後に出会う竹山の子孫や弟子たちとの縁から、映画『津軽のカマリ(匂い)』の構想を得て、二〇一五年の春から新たな作品を紡ぎあげた。映画は竹山の残された映像や音声、竹山を知る人々の声を集め彼の人生や心模様を呼び覚まし、津軽の原風景を浮き彫りにしていく。

 

 

 

高橋竹山ドキュメンタリー映画「津軽のカマリ」全国キャラバン上映会&二代目高橋竹山生演奏会4月2日(日)開場13時、開演13時30分、米子コンベンション多目的ホール。入場無料。

問い合せ電話 0859-32-1377

 

むきばんだ・やよい塾

 

 大山の麓に広がる弥生時代の国邑(こくゆう=クニの中心的な大集落)、妻木晩田遺跡(むきばんだいせき)は九州・吉野ケ里遺跡に匹敵する弥生時代の全国有数の遺跡。
 遺跡の保存・活用のために、むきばんだ応援団が結成され、むきばんだやよい塾が開かれている。
 今年度一回目は四月八日(土)14時~16時、対談「弥生時代という時代」講師:藤田憲司(むきばんだやよい塾長=オンライン参加)佐古和枝(関西外国語大学教授、むきばんだ応援団副団長)会場=本の学校2Fイベントホール。受講料一回のみは千五百円、年間六回分一括は六千円。

 五月はむきばんだ遺跡の現地見学五月十三日(土)に。問080-1915-6664

 

(河中信孝)

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