あげそげコラム

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コラム掲載号:20221118

中村哲医師のイベント 二つ

 中村哲医師は誠実な人柄が信頼され、アフガニスタンの地での医療支援も順調に進んでいたが、二十二年前、大干ばつという思いもよらぬ障壁に直面した。飢えと渇きで人々は生命を落とし、農業は壊滅、医療で人々を支えるのは限界だった。中村医師は誰も想像だにしなかった大事業―用水路の建設を決意する。

 それから七年、二十五キロメートルに及ぶ大工事は困難の連続だった。数々の技術トラブル、アフガンの空爆、息子さんの死…中村医師はそれを一つ一つ乗り越え、住民の人々の協力も得て用水路を完成させた。その水で荒野は広大な緑の大地へと変貌し、今、六十五万人の命を支えている。

ちょうど三年前、二〇一九年十二月新しい用水路の工事中、中村医師は何者かの凶弾に倒れ生命を失った。アフガンは悲しみに沈み、N・Yタイムス、BBCなどが悲報を世界に伝えた。 

中村医師の生きた軌跡は長く人々に語り継がれ、彼が残した用水路は人々の生命を支え続けている。

 

 

 なかやま温泉映画会「劇場版・荒野に希望の灯をともす」十二月三日(土)10:00\14:002回上映。14:00回終了後『浜本純逸さん(ペシャワール会とっとり顧問元鳥取大学教授)によるトークセミナー【中村哲医師の「鉄の意志」を受け継ぐ~今、我々のできることは~】』場所=なかやま温泉(大山町赤坂708)入場料大人千円、中学生以下五百円。問0858-49-3330

 もう一つ、「中村哲医師3周忌追悼写真展&講演記録上映会」が開催される。

 中村哲医師の3周忌にあたり、中村医師の活動を広く紹介し、ペシャワール会の活動を支援することを目的とした「写真展&講演記録上映会」だ。

 

 

 写真展十二月三日(土)~十一日(日)米子市立図書館2階展示ギャラリーで。現地の活動状況やアフガニスタンの現状を紹介。鳥取県内、東・中・西部の三か所で。

上映会十二月十一日(日)14:00~16:00

米子市立図書館2F多目的研修室

〔上映〕「中村医師講演会記録(2019年5月鳥取市で開催したもの)」

〔トーク〕「現地でのワーカー経験を通じて学んだこと」報告者山口敦史さん(ほのぼのハウス農場経営)

会場にペシャワール会入会案内・募金・書籍販売を予定。

問合せペシャワール会とっとり会長小谷治郎平080‐1645‐9462

 

 

(河中信孝)

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