あげそげコラム

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コラム掲載号:20221104

淀江町は史跡・重要文化財の宝庫

 米子市淀江町は25平方キロ、四角にまとめればわずか5キロ四方の地に、多くの古墳はもとより、4つの国史跡と重要文化財「石馬」がある史跡の町だ。

 一九〇一年(明治三四)年日本の考古学・人類学の草分けと評される坪井正五郎教授(東京帝国大学)が淀江町を訪ね、石馬谷古墳の持つ本州唯一の石馬に注目した。また、長者ケ平古墳から出た金銅製冠が今も東大に保管されている縁もあって、当面5年間予定で淀江研究を行おうとするのが「東大人文・淀江プロジエクト」だ。第1回の市民講座は「古墳時代の淀江~その個性と魅力~ふるさと淀江の宝を学ぼう」の副題が付けられた。

 

十一月十二日(土)14時~16時 宇田川公民館(米子市淀江町)で、米子市出身の関西外国語大学教授・佐古和枝さんが、それらの古墳が他の地域の古墳とどう違うのか、その個性は何を物語るのか、筑紫君磐井や継体大王とどういう関わりがあるのか、分かりやすく解説される。

 電話・FAX・メール等により、①氏名②連絡先電話番号を添えて十一月十日(木)までに、米子市淀江文化センターに申込まれたい。申し込み 0859-39-4050休館=毎週水曜日。

 

市民劇場は十七日に

 

 小さな汽船が行き来する瀬戸内海の小さな島。白い大きな花をつける泰山木。その木の下で質素に暮らすハナ婆さん(日色ともゑ)は、貧しいながらも9人の子どもを産み、3人の子は戦死、のこる6人の子も、広島の原爆で亡くしてしまう。ハナは戦後、人助けのつもりで、頼まれると密かに子どもをおろしてやっていたが、ある日、ひとりの男がその家を訪れる。堕胎の罪でハナ婆さんを逮捕しにやって来た木下刑事(塩田泰久)。署へ連行する船中でハナ婆さんの話を聞く木下刑事も、また誰にも言えない苦悩を抱えていた…

 

 

米子市民劇場は劇団民藝公演「泰山木の木の下で」十一月十七日(木)開演18時30分 米子市公会堂。会員制だが公演前日までに申込があれば当日入会可。

 瀬戸内海の美しい叙情と、時代の波に抗いながら生きる人びとの哀歓を描く小山祐士作品。  1963年初演以来ロングラン上演を重ねてきたが、2019年からは新たに丹野郁弓の演出となった。問い合わせ 0859-33-8695

 

(河中信孝)

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