あげそげコラム

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コラム掲載号:20220916

駅弁掛け紙の世界展Ⅱ(西日本編)

米吾(米子駅) 大正初期
米吾(米子駅) 大正初期

 板祐生の駅弁掛け紙の収集は、大正8年から昭和10年にかけて約1380点に上ります。この度令和2年の駅弁掛け紙図録東日本編に続き、西日本編の原稿が完了しました。 本展では、この原稿をもとに、北陸本線・関西本線から鹿児島本線までの駅弁掛け紙に加え、駅弁に付けて出された箸袋や食堂車案内、当時の朝鮮・満州国で販売された駅弁の掛け紙等約600点を展示しています。

 当時の掛け紙には地方の名所・旧跡が紹介されていたり、乗換案内や乗車マナーなどが記載されていたりして、乗客が安全に楽しむことを優先に工夫されています。 また、1922 年(大正11)の「平和記念東京博覧会」や「イギリス皇太子来日歓迎」は全国の掛け紙に統一記載されました。

 時代の経過とともに、鉄道の高速化によって目的地まで所要時間や停車時間の短縮、そして窓の開かない車両設計により、鉄道構内での駅弁販売は減少しています。ですが米子駅・松江駅・岡山駅などには、100年以上続いて現在も営業しているお店もあります。

 東京・京都間が15時間かかった時代、展示した駅弁掛け紙や食堂案内からは、鉄道で旅を楽しんだ時代が伝わってきます。旅の友であった駅弁の掛け紙から、地方の自慢と当時の風情をお楽しみください。

 

(祐生出会いの館 野口玲子)

 

【開催期間】

令和4年10月10日(月)まで

【開館時間】9時~17時
【休館日】

火曜日

【入館料】

一般:300円、高校・大学生:200円
※15名以上団体割引あり
※身障手帳所持者と介護者1名無料

 【問い合わせ】

南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008

TEL/FAX 0859(66)4755

駅弁掛け紙の世界展Ⅱ(西日本編)

 

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