あげそげコラム

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コラム掲載号:20211008

村穂久美雄コレクション 絣~幾何の模様展

 江戸時代中期、米川用水が境港まで開通したことによって、弓ヶ浜の砂丘地の開発が始まりました。

そこで、生育条件に適した綿花の栽培が盛んになりました。

 自給自足の生活の中で農家の婦人たちは本業の木綿織りの一方で、愛情を込めて家族のための仕事着、

晴れ着、布団などの生地として、藍染の様々な模様をもった絣織物を作るようになりました。

1978年に、弓浜絣は鳥取県の無形指定文化財に指定されました。

 

 

 

 村穂氏は、「民藝運動」を提唱した柳宗悦の『信と美』に啓発を受けて絣の収集を始めました。膨大な収集品は、各地の民芸館や美術館での特別展で展示・紹介されています。当館での展示は、平成24年「染めと織」、平成28年「絣の模様」に続き三回目です。今回は「幾何の模様」を中心に展示しています。

藍で染め分けたタテ糸・ヨコ糸を駆使して、線の太さ、長さを工夫して作る模様は創造の世界を広げ、農家の主婦たちの感性の豊かさが伝わってきます。また、本展では、当時の着物や米澤あかり氏の弓浜絣リメイク作品も併せて展示し、活用の在り方も紹介しています。

 村穂氏は板祐生を尊敬し、若き日に度々友人と祐生宅を訪問しました。氏は収集した「絣」を制作者から「預かっている」と表現します。「後世の参考にする」として数多くの物を収集した祐生の在り方と共通しています。

 ぜひこの機会に、村穂コレクションから素朴で美しい幾何の模様の絣展をお楽しみください。

(祐生出会いの館 野口玲子)

 

 

【開催期間】

開催中~令和3年11月1日(月)

【開館時間】9時~17時
【休館日】毎週火曜日
【入館料】

一般300円、高校・大学生200円

小・中学生以下無料

(15名以上の団体割引あり)

※身障手帳所持者と介護者1名無料 

 【問い合わせ】

南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008

TEL/FAX 0859(66)4755

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