あげそげコラム

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コラム掲載号:20210806

米子シネマは「靴ひも」8日に

 一度は家族を捨てた父親・ルーベンは息子・ガディとおよそ三十年ぶりの共同生活を始める。
母の突然の死により、一緒に暮らすことになった息子は発達障害があり、明るく誰に対してもフレンドリーな一方で、皿の上の食べ物の配置から、寝る前のルーティンに至るまで、生活習慣への独自のこだわりが強く、発達障害で苦手なことも多い。父親はどう接したらよいか手探りで戸惑うばかりだった。
 そんな二人がようやく打ち解けた頃、ルーベンは末期の腎不全と診断され、特別給付金を申請することになる。その面接の場で、息子・ガディは特別な支援が必要であると証明するため、靴ひもを結べないふりをするのだが……

 

 

八月八日(日)①14時②19時。米子コンベンション・小ホール。会費制だが当日入会可。イスラエル・アカデミー賞8部門にノミネート、父親役は助演男優賞受賞。世界で大きな感動を呼んだ、心揺さぶられる親子の物語。息子は靴紐を結ぶことを苦手としているが、映画の中に出てくる靴ひもを結ぶ三度のシーンそれぞれが、父親と息子の関係の変化を表すものに。問合せ090-8248-9810

 

 

映画「沈没家族」21日

 

 シングルマザーの母親(加納穂子=ほこ)は自分が家にいない間、幼い息子(加納土=つち)を代わりに保育してくれる人を募集し、彼女が撒いたビラを見て集まった大人たち=保育人によって、新たな試み・共同保育がスタートする。この取り組みは実践的共同保育「沈没家族」と名づけられた。「ウチってちょっとヘンじゃないかな?」と思い始めたのは9歳のころ。そこで育ったボク(監督・加納土)が九十年代半ば、武蔵大学在学中の卒業制作ドキュメンタリーとして制作。これをリメイクして劇場版として公開された。

 

 

八月二十一日(土)①10時②14時 なかやま温泉(大山町赤坂708)大人千円、中学生以下五百円
母はどうしてたったひとりでこの家族を始めたんだろう?
20年の時を経て、おぼろげだった僕の「家族のカタチ」が見え始めた――愛されて育った土さんの自己肯定がまぶしい。問い合わせ0858-49-3330

 

(河中信孝)

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