あげそげコラム

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コラム掲載号:20210723

アイスクリーム頭痛


 

 今年も夏がやってきた。子どもの頃、土曜夜市で甘党の店「みらく」で30円のかき氷がとても楽しみだった私だが、いつのころかこめかみのあたりがキーンと痛くなり苦手になった。

 この現象は国際的にはアイスクリーム頭痛。れっきとした医学用語なのだ。この現象が起こるメカニズムは2つの説がある。冷たいものを食べると喉の三叉神経が刺激され、脳への伝達信号が「冷たさを痛みと勘違い」する説。急にのどや口の中が冷やされ、強い刺激にカラダが慌てて反応し、血液量を一時的に増やして温めようと、「頭につながる血管が膨張」する説。英語では「脳の凍結」と表現する。

 

アイスクリーム頭痛は2種類ある

 

 昨年、医学論文:アイスキューブと氷水による「アイスクリーム頭痛」の実験的誘発:の記事を読んだ。角氷と氷水の頭痛の頻度の実験で、以外にも氷水のほうが角氷よりも頭痛の出現が多いのだ。疼痛の部位について差はなく、こめかみや前頭部のような緊張型頭痛で痛くなる部位に多かった。角氷による頭痛は圧迫されるような痛み、氷水による頭痛は刺すような痛みだったとのこと。アイスクリーム頭痛には2つタイプがあるようだ。       頭痛を感じることなくかき氷を最後までおいしく食べるための解決策は「ゆっくり時間をかけて食べる」だろうか。

 

食べ物の温度と消化・吸収

 

   猛暑・酷暑が続き、当たり前に冷えた事務所や店舗の中、戸外の灼熱の中などを行き来する。激しい温度差がさらに心身疲労につながり夏バテしやすい。しかし、私たちの回りには人工的に冷やされたものが溢れている。冷蔵庫にはキンキンに冷やしたお茶やジュース、アイスクリームなどを常備している家庭も多い。

 特にジュースなどの飲み物は冷やして飲むことが当たり前で、常温で飲む人は少ないだろう。体に冷たいものが入ってくると体の熱を奪い、消化吸収や代謝全般に悪影響を与える。また、腸の免疫力も下がるといわれている。食事は人工的に冷やされたものはなるべく避けできるだけ体温に近いものを摂る、程よく冷やした飲み物を摂る、飲みすぎないことが大事。飲み物、食べ物の温度や1回摂取量を「賢くコントロールすること」は健康維持につながるだろう。

 「わかっちゃいるけどやめられない♫」けど、自分のつらい顔より笑顔を思い浮かべてみよう。

 

笑(しょう)らいふ
代表=看護師・姿勢教育指導士

熊谷 春美(くまがえ はるみ)

(米子市車尾在住)

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