祐生の収集は、1917年(大正6)大阪朝日新聞が面白い物集めの人を「珍道楽」と称して紹介した三十人との交流に始まります。その頃絵葉書を一千枚集めて得意になっていた祐生でしたが、記者に住所を聞いて手紙を送ったところ、早速鹿島萍水氏からは法隆寺古瓦の拓本、津田豊次郎氏から刀の鐔の拓本が届き、趣味人たちの真剣さに驚きました。以来、これらの人々から教示を受けながら趣味の世界に浸っていくことになりました。この度展示したタバコ・マッチ・刀の鐔も大阪の人たちから刺激を受けて開始されました。
マッチには、外箱に意匠を凝らした広告・宣伝のデザインが施されていて、最も身近な収集の対象物でした。祐生収集のマッチラベルからは、収集に値する図柄が見られ、マッチに広告・宣伝の期待が寄せられていた時代であったことが伝わってきます。祐生は収集家や趣味人との交流の中で収集したため、地元のものは「東郷温泉旭館」わずか1枚です。
本展では、タバコ49点、マッチ1543点のラベル等と刀の鐔と拓本134点を展示しています。
また、日南町の深田春夫氏が「にちなんふる里まつり」に14年間にわたり出品された1446点のマッチラベルコレクションをお借りし紹介しています。今日ではあまり使われなくなったマッチですが、表示やデザインから懐かしい思い出が浮かんできます。祐生の収集物と比較して、時代の推移も併せてお楽しみください。
(祐生出会いの館 野口玲子)
【開催期間】 | 令和3年2月1日(月)~3月29日(月) |
【開館時間】 | 9時~17時 |
【休館日】 | 毎週火曜日 |
【入館料】 | 一般/300円(240円) |
【問い合わせ】 | 南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008 TEL/FAX 0859(66)4755 |