あげそげコラム

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コラム掲載号:20201222

祐生に届いた大正・昭和の年賀状

↑大正14年 山三不二(佐野健吉)
↑大正14年 山三不二(佐野健吉)

 新しい年をことほぐ風習は古くから行われてきましたが、明治以降、郵便制度によって一般庶民にまで普及しました。最近では家庭でもきれいな印刷ができ、通信媒体が進化してインターネットでの交信も行われていますが、発信者の気持ちで伝わる年賀状は、手作りの作品に勝るものはありません。

 板祐生は1918年から全国の趣味人との年賀状交流を始めました。祐生の交流した人々は、「榛の会」の会員以外は全くの趣味の人たちでした。作品からは、相手をどのように喜ばせるか、自らの主義主張を込めながら、その苦心のほどが伝わってきます。祐生もその中の一人であり、心優しい人柄がこの交流の中でさらに磨かれたに違いありません。

 このたび展示した607枚の年賀状の中には、版画家の他に高島屋呉服店のポスターを手がけた北野恒冨、三越呉服店のポスターを描いた杉浦非水などの著名な画家もあり、祐生の求めた交流の幅を感じさせます。

 令和3年は丑年であり、当館で募集している「年賀状版画コンクール」(1月21日締切)には、牛をモチーフにした作品がたくさん寄せられることと思います。祐生に寄せられた趣味の人々の年賀状から、新年を感じにお越しください。

 

(祐生出会いの館

猪原 加代子)

 

 

【開催期間】

令和2年12月12日(土)~令和3年1月25日(月)

【開館時間】9時~17時
【休館日】毎週火曜日
【入館料】

一般/300円(240円)
高校・大学生/200円(160円)
中学生以下無料
※( )は15名以上団体料金
※身障手帳所持者と介護者1名無料

 【問い合わせ】

南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008

TEL/FAX 0859(66)4755

祐生に届いた大正・昭和の年賀状

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