明治5年「学制」が発布され、日本の近代教育がスタートしました。「学制」の本文には「学制序文」(仰せ出され書)が添えられ、その趣旨が述べられており、
「学問は身を立てる各個人のものであるから、自ら進んで学ばなければならない」として、開設した学校で学ぶことを奨励しました。しかし、授業料の負担や厳格な昇級試験、また当時の子どもは貴重な労働力であったことなどにより、就学したものは明治6年発足当初は学齢児童の28%であり、就学率の向上が課題でした。以後、教育制度は、国民生活の実態に合わせて修正されるなどを経て、明治33年尋常小学校の授業料が無償化され、就学率は85%と飛躍的に向上しました。明治41年からは、小学校6年制が実施され、高等科2年が併設されて学校教育は国民の中に定着しました。
この間、各学校では、就学率向上策として卒業生の活躍を紹介することに努めました。立身出世をしたり、一芸に秀でて名を成したりした人を自校教育の成果として内外に公表し、在校生に対しては目指すべきモデルとして顕彰しました。
この度、西部地区の小学校15校に協力いただき所蔵されている卒業生作品をお借りしました。卒業後に社会の中で名を成した人が寄贈したり、在校時に秀作として保管されていたりした作品などです。本展では、卒業生の絵画・書等22点、明治・平成の児童作品146点等展示しています。いずれも各校の誇る作品です。これらの作品を通して、学校教育に思いをいたしていただければ幸いです。
(祐生出会いの館
野口玲子)
【開催期間】 | 令和2年12月21日(月)まで |
【開館時間】 | 9時~17時 |
【休館日】 | 毎週火曜日 |
【入館料】 | 一般/300円(240円) |
【問い合わせ】 | 南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008 TEL/FAX 0859(66)4755 |