着物や帯、袱紗やバッグなどに施されている日本刺繡は、繊細な色使いと立体感、絹糸の光沢、花や鳥など古典文様を中心とした洗練された図案など、格調高い美しさで見る人を魅了します。
日本刺繡は、伝統的な図案に、金糸と絹糸を使って両手で刺していきます。絹糸は撚糸(よりいと)と撚(よ)りのかかっていない平糸(ひらいと)があります。平糸はあでやかな光沢を保ち、撚糸は力強く厚みがあり、文様の柄や大きさによって使い分けています。このため、使用する糸によって、針の種類も十数種類に及びます。また、日本刺繡には、決められた刺し方が四十六種類あり、それぞれの技法を習得することによって刺繡の表現は無限に深くなるといいます。これらを駆使した各個人の技術によって作品は仕上がっていきます。
船原あづさ氏の指導を受けた「あづさ会」は、平成2年から米子教室、平成6年から出雲教室を開設して山陰両県に日本刺繡を広めています。当館であづさ会の作品展を開催するのは二度目になります。
今回の展示では、船原氏の山陰地方での指導が30年を迎えることから、指導を受けた23名の会員作品を中心に黒留袖、訪問着、付下げ、袋帯、名古屋帯、袱紗、バッグなど100点あまりを展示しています。一針一針丹精込めて仕上げられた、日本古来伝統の美をぜひお楽しみください。
(南部町祐生出会いの館
野口 玲子)
【開催期間】 | 令和2年10月26日(月)まで |
【開館時間】 | 9時~17時 |
【休館日】 | 毎週火曜日 |
【入館料】 | 一般/300円(240円) |
【問い合わせ】 | 南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008 TEL/FAX 0859(66)4755 |