故浅田重子さんは、旧淀江町でPTA活動、地域婦人会、公民館の婦人学級など地域活動に積極的に参加していました。また、旧淀江町の民生委員、教育委員等、公人としても活躍しました。
浅田さんは、母の形見の藍染の古布を使ってパッチワーク作品の制作を楽しんでいましたが、平成9年「リンパ腫」を発病してからも、つらい闘病生活のなかで作品を次々と制作しました。「抗癌剤の治療でつらい思いをする時もあるけれど連日というわけでない。体調の良い時、私は天井を見つめながらいろいろ構想をしはじめた。(中略)私は今、病気のお蔭で夢を描き続ける時間だけは充分に持ち合わせている。誰よりも持ち合わせている。ありがたいことではないか。」と述べ、病床の中でタペストリーの構想を育んでいました。浅田さんのもとには、多くの友人・知人から絣の古布が届けられ、それらを1枚1枚縫い合わせて、絣への思いを込めた「終の住家」や絣をはぎあわせ人と人との縁を繋ぐ「藍・愛・ふれあい」3部作等に仕上げていきました。
浅田さんは、平成17年にこの世を去りましたが、残された作品には絣をいつくしむ気持ちと仲間への感謝の思いが込められています。
本展では、大型のタペストリー等30点とバックやポーチ等小物作品23点を展示しています。没後15年たっても色あせない、ふる里の藍を愛おしんだ浅田さんの作品展をぜひお楽しみください。
(南部町祐生出会いの館
野口 玲子)
【開催期間】 | 令和2年9月28日(月)まで |
【開館時間】 | 9時~17時 |
【休館日】 | 毎週火曜日 |
【入館料】 | 一般/300円(240円) |
【問い合わせ】 | 南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008 TEL/FAX 0859(66)4755 |