あげそげコラム

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コラム掲載号:20200925

『西伯耆の石ぶみ』重版出来

 今年3月、伯耆書院(書家・森田尾山氏主宰の書道団体)は『西伯耆の石ぶみを訪ねて』(アート紙A5版百二十三頁)を出版した。その動機は「伯耆書院では、この五年間、毎年伯耆の文学をテーマに書道展を開催してきたが、その中で多くの文学碑が自然豊かで風光明贈なこの地域に点在しているのを見てきた。…これらの文学碑を一冊にまとめたらと声が上がり、確認した文学碑の数三〇〇基、これを特に短歌、俳句等各分野の普及向上に努めた作家の一〇六基を中心にまとめてみた。」とある。

 

 

 先般完売し、第二刷が出来、千二百円+税で販売中。

 中には芭蕉、生田春月、金子みすゞ、織田収、山頭火、与謝野晶子、大江賢次、枝野登代秋、池田亀鑑、生田長江、井上靖など、生年・没年句碑の紹介、碑文、作家の紹介が丁寧に付けられている。座右に置きたい一冊。

汚染水海洋放出は?

 福島第1原発の汚染水は112万立方米、25mプールの二千三百杯分。東電はタンクを増設しても二年で満杯でそれ以上は無理だという。

 今年二月、政府の有識者小委員会では「海洋放出」の優位性を強調する報告書を出したが、反対する周辺自治体が多い。

 今年夏に結論を出す必要があるといわれてきたが、政権が替わって秋以降になると見られている。

 海洋放出をするといっても、全体の八十三%は国の放出基準より高濃度で再度「アルプス」で処理する必要があり、現在増え続けている汚染水処理のほかに処理施設が必要となる。

 他の核種は処理できるとしても、トリチウムはそのまま残る。トリチウム(3重水素)は水素原子とまったく同様に振舞い、様々な経路で体内に入ってくる。体内被ばくの影響が問題視されている。トリチウムを大量に放出するカナダのピッカリング原発の周辺では小児白血病やダウン症候群などの増加が実証されているという。

 いずれにしても原発の過酷事故はどうにも始末に負えるものではないが、安全を最優先に慎重に考えねばならない。

(河中信孝)

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