駅弁は、鉄道の発達に伴い、旅行者に提供した食事ですが、その地方ならではの食材を使ったおいしさが詰められていて、今日なお根強い人気があります。駅弁掛け紙にはその地方の名所が印刷されていて、車窓と相まって旅情を高めるのに一役買っています。
板祐生は、大正8年から昭和10年まで駅弁掛け紙の収集をしました。それらの掛け紙からは、駅周辺の名所・旧跡のほかに、当時の駅弁の種類、価格、さらには乗車マナー向上のPRや広告掲載としての役割などを見ることができます。
特に大正7年食品衛生法成立によって、製造年月日を記すことになり販売された時期による変遷を知ることができます。また、大正11年の平和記念東京博覧会、英国皇太子来日歓迎は、全国規模でこれを記載した駅弁掛け紙が製作され、国民に知らせる一役を担いました。
この度発刊した「駅弁掛け紙図録Ⅰ」では、北海道の根室本線から東海道本線までの32路線678点の掛け紙を紹介しています。その中から、本展では32路線437点の掛け紙と恵贈された掛け紙を収納した貼り込み帖5点等を展示しています。
今年は駅弁誕生135周年とされ、特別なおにぎり弁当が販売されるなど記念の年でもあります。この機会に、当時の旅の趣と風情を楽しんでいただければ幸いです。
(南部町祐生出会いの館
野口玲子)
【開催期間】 | 令和2年8月6日(木)まで |
【開館時間】 | 9時~17時 |
【休館日】 | 毎週火曜日 |
【入館料】 | 一般:300円 高校・大学生:200円(15名以上の団体割引あり) ※身障者手帳所持者と介護者1名無料 |
【図録】 | 1800円(税込) |
【問い合わせ】 | 南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008 TEL/FAX 0859(66)4755 |