あげそげコラム

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コラム掲載号:20200313

高齢者・心血管疾患の人は注意

 新型コロナウイルスが日常生活を大きく揺さぶる。いつ収まるのか、先が読めない。WHO事務局長がパンデミックの怖れを口にしだした。

確かに高齢者で心血管疾患のあるものは死亡率が高い。両方に該当する筆者は要注意だ。

 大小のイベントが軒並み延期・中止となる中で、開催しても大丈夫という確信の下、自社イベントを中止しなかった経営者もいる。大手企業のデータ分析や活用をインターネットでクライアントに提供する「データビークル」のCEO西内啓さんは3月3日の自社パートナー向けセミナーを開いた。西谷さんは中国武漢市のデータを解析して、リスクを分析、WHOの勧める適切な公衆衛生的配慮を守れば大丈夫とした。

 それは…☆マメに手を洗いましょう☆咳やくしゃみをしている人から1m離れましょう☆手で目や鼻、口を触るのはやめましょう☆咳をする人はひじの内側で口を覆いましょう☆体調が悪い人は家で寝ていましょう☆呼吸困難などの症状があれば事前連絡の上で医療機関へというものだそうだ。しかしこれには如何に注意しても開催すればリスクはゼロにはならないとの批判もある。

 事態は急には好転しそうにない。「ダイヤモンドプリンセス号」に入ってみて防疫の状況に赤信号を出し注目された神戸大学感染症内科の岩田健太郎教授は「こういうときに大切なのはデータ解析です。(中略)新型コロナウイルスに関する論文が中国でたくさん出ているのに、日本からはあまり出ていない。中国ではこんなときでも現場と距離を置くリサーチ部門がデータ解析しているのです。日本は長年、儲けられそうな所に資源を集中することを繰り返していましたから弱いのです。」と言う。

 日本では真偽のほどはわからないが、感染者かどうかを調べる検査も制限しているとも聞く、それでは母数が不明確で死亡率が何%なのかもわからないのでは?

これらの現象が、地味ではあるが基礎的な学問を軽視・削減する傾向やコストパフォーマンスをことさら重視する傾向のせいでなければ幸いだ。

 市場原理主義がこんなところにも表れ、社会的共通資本が損なわれているとすれば、大きな問題だ。

 

(河中信孝)

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