祐生収集の始まりは絵葉書でした。当初は友人相手に交換している程度でしたが、乃木大将追悼の短冊を送ってくれた人たちに依頼するようになり、遠くの世界を絵葉書によって楽しみました。
祐生の本格的な収集は、1917年(大正6)大阪朝日新聞のコラムに掲載された「珍道楽」の収集家30人との交流からとなりました。おおよそ一般の人は関心を持たない分銅・ステッキ・看板などを集めて楽しんでいる人たちに、祐生は強い衝撃を受けました。また、交流相手に経済力と教養を併せ持つ人々がいたので、趣味人のあり方も学びました。
一方、東京では経済的に豊かな多能趣味人32人に祐生を加えた33人による「我楽他宗」が結成されました。祐生は、経済的な基盤のない田舎の教員という全く不釣り合いな存在でしたが、相手の心を刺激する文章、風流を表現する絵、それに強い好奇心があり、見事に趣味仲間の一員として存在感のある交流をしました。そして分野を問わず数多くの物が届くようになりました。
この度、全国の人たちから寄せられ、祐生の趣味生活を豊かにした物や、日常生活で使われていた陶器などを展示しました。祐生の生きた懐かしい時代を感じてみませんか。
(南部町 祐生出会いの館
猪原 加代子)
【開催期間】 | 令和2年2月1日(土)~3月30日(月) |
【開館時間】 | 9時~17時 |
【休館日】 | 火曜日、年末年始(12月29日から1月4日) |
【入館料】 | 一般:300円 高校・大学生:200円(15名以上の団体割引あり) ※身障者手帳所持者と介護者1名無料 |
【問い合わせ】 | 南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008 TEL/FAX 0859(66)4755 |