あげそげコラム

一覧はこちら

コラム掲載号:20191122

宇沢弘文記念フォーラム来月8日

 米子市出身の世界的経済学者・宇沢弘文元東京大学名誉教授はノーベル賞経済学賞に最も近いと言われながら受賞しないまま、惜しまれて亡くなって5年がたつ。

 若くして米スタンフォード大学に招聘された宇沢先生は、シカゴ大学で利潤や効率を第1に考える「市場原理主義」者と対決、「人間のための心の経済学」を重視して1968年、東京大学に帰られた。

 宇沢先生の思想は幸せな暮らしに誰もが欠かせない大気・水・森林などの自然環境や、教育・医療・金融等の制度、道路・上下水道・電力等のインフラなど「社会的共通資本」を利潤追求の対象として市場に委ねるのではなく、各分野の専門家が制度を整えて守っていくべきだと唱え、水俣病や成田空港問題などにも自ら赴いて解決を目指された。

 先生の没後も人々に大きな影響を及ぼし、支持され、多くの実践者を生んでいる。

 このフォーラムは宇沢先生の考えを広く知ってもらおうと月一回の例会で学びあい、講演会や見学会などを催している「よなご宇沢会」が主催。

 今回は著名ジャーナリストの池上彰氏と宇沢先生の長女で医師の占部まり氏を講師に迎え、今直面している問題にどう立向かえばいいのか、その道標としての宇沢理論の役割を話していただき、トークセッションにも加わっていただく。

 

 

十二月八日(日)13:30~米子市公会堂大ホール。入場券五百円。問0859-33-2007

 

 

映画「カメジロー」

 

 戦後、米軍統治下の沖縄で祖国復帰を勝ち取るため闘い、今のオール沖縄の伝統を作った政治家・瀬長亀次郎のドキュメンタリー映画「米軍が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯」十二月一日(日)午前10:00~米子市文化ホールイベントホール。入場料は千円(学生五百円、高校生以下無料)

 あらゆる妨害をはねのけ圧倒的支持で那覇市長となった瀬長に更に米軍の弾圧が…彼が残した二百三十冊を超える日記から個人の生活にスポットを当てて、彼の不屈の精神の根底にあるものを浮かび上がらせる。問合せは佐々木090-6409-3949

 

(河中信孝)

↑ページ上部へ