あげそげコラム

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コラム掲載号:20190719

普通選挙始まる-昭和3年衆議院議員選挙




 1889年(明治22)大日本帝国憲法とともに公布された衆議院議員選挙法では、直接国税15円以上の納付者が有権者とされていました。その総数は45万人で国民の1.14%にすぎませんでした。以後、普通選挙期成同盟会が結成されるなど国税要件徹廃が要求され、大正デモクラシーの風潮が高まりによって普選運動は社会に浸透し大衆化していきました。このような中、1922年(大正11)野党統一の普選案が提出され、主要新聞社も共同宣言を出して気運は最高潮に達しました。与党政友会は反対していましたが1914年(大正13)5月の総選挙では護憲三派(立憲政友会、憲政会、革新倶楽部)の圧勝となりました。1925年(大正14)加藤高明内閣は25歳以上の男子を有権者とする普選法案を治安維持法と抱き合わせる形で提出し成立させました。有権者は329万人から1241万人へと一気に約4倍となりました。

 普選実施は社会の啓発から行う必要があり、選挙を管轄する内務省や各都道府県、啓発団体は選挙のルールと意義を分りやすく紹介することに努めたり、後藤新平は全国に有志を募って「普選準備会」を組織し、政治の倫理化運動を行いました。また、各政党も絵入りのポスターを作って有権者に投票を求めました。

 このたび、祐生コレクションから第一回普通選挙昭和3年衆議院議員選挙の資料展を企画しました。普通選挙黎明記の啓発ポスター、新聞の論調、雑誌の記事など51点を展示しました。これらの資料から、来るべき参議院選挙に思いを致していただければ幸いです。

 

(南部町祐生出会いの館 猪原加代子)

 

 

 

【開催期間】令和元年8月5日(月)まで
【開館時間】9時~17時
【休館日】火曜日、年末年始(12月29日~1月4日)
【入館料】

一般:300円

高校・大学生:200円(15名以上の団体割引あり)

※身障者手帳所持者と介護者1名無料

 【問い合わせ】

南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008

TEL/FAX 0859(66)4755

祐生コレクション 普通選挙始まる―昭和3年衆議院議員選挙展―

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