デジタルあげそげ

　生田利秋氏は、平成9年退職を機会に仲間を誘って写真撮影のグループを結成しました。平成13年県勤労者美術展で労働大臣賞を受賞して以来、二科展・県展・米子市展等に出品して入賞・入選を果たし、平成25年からは、二科会写真部会友になりました。平成20年からは、東京・大阪のニコンサロンや地元の郵便局等で「屋代島・倉橋島」「ベトナム北部辺境」など人と自然をテーマにした個展を開催しています。

　本展では、インドの自然と人をテーマにした作品119点を展示しています。今日著しい躍進を遂げているインドですが、一歩市街から離れると依然として古くからの暮らしが見られます。ましてや山岳地帯や農村、魚村では、昔の生活の姿が脈々と受け継がれています。生田氏は都会では見られないインドが感じられ、自然と共生する姿に親しみを抱くといいます。そして、平成21年から6回インドを訪問し、広大な国の16か所で撮影活動をしました。ヒマラヤ山脈を望む北部シッキム王国、南部インド洋の海岸地帯、西端ガンジー生誕の地グジャラート、ダージリン・ティーの産地で知られる西ベンガル、お釈迦様が悟りを開いた聖地ブッダガヤ等々。写真の人たちは皆穏やかな表情で、宗教を重んじ自然の恵みと共に悠然と生きる姿に、生田氏の温かい眼差しが感じられます。

　ぜひこの機会に、生田氏が写真に切り取った「悠久の大地・インド」の世界をお楽しみください。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（祐生出会いの館　野口玲子）