デジタルあげそげ

企画展示 大山開山1300年

　11月9日から13日まで米子市美術館で第32回米子工芸会展を開催いたします。

　米子工芸会はプロ、アマチュアを問わず作家同士の交流を通じて互いに研鑽を深めることを目的としています。作品発表の場として毎年米子市美術館で展覧会を行っています。

　32回目を迎える今年度は土、木、繊維、ガラス、金属など多彩な材料で制作した県西部と周辺の約30名の作家の多様なジャンルの作品が一堂に集まります。

　また本年は大山開山1300年という大きな節目に合わせ大山に因んだ展示も行います。

　大山周辺に暮らす人であれば、当たり前のようにそこにあるので意識することは少ないかも知れませんが、単に観光資源としてだけではなく、食や住環境など大山の膨大な自然の恩恵を何らかの形で享受していると考えられます。とりわけ自然素材を多く使い、自然や暮らしの中に発想のヒントを得る作家であればなおさらの事です。工芸会として大山の自然の恵みに感謝と敬意を込めました。

　人によって捉え方は様々ですが、現代において工芸という言葉は広い意味をもっており、伝統に根ざしたものを伝統工芸、生活に根ざしたものを民芸、新しい価値観や考え方で作られたものを現代工芸（クラフト）などと呼んだりします。個人的には量産品であってもコンセプト、デザイン、製作方法などによっては工芸であると考えていますので、製品と表現の間にあるものはすべて工芸と捉える事もできます。

　本展覧会においては個人制作の作品のみを展示しています。

　秋の一日、展覧会を通して多くの方々に多様なジャンル、多彩な表現がある事を知っていただくことで、「あらためて工芸とは？」と知的探求心が刺激され、作るもの・作る事・作る人に、興味関心を持っていただく機会となれば幸いです。

　皆様お誘いあわせのうえ是非ご覧ください。

（米子工芸会 桑原 朋来）