あげそげコラム

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コラム掲載号:20180810

植物画の集い ―いわたさいこと70人の世界―


  植物画(ボタニカルアート)は、古代エジプトや中国で薬草などを分類するために始まり、写真のない時代、植物を説明するために描かれました。植物の姿を正確に細密に描く植物図鑑のための絵で、植物学的な絵画のことです。

 日本では、高知県出身の植物分類学者・牧野富太郎が明治時代に『大日本植物志』を刊行しています。

 

 いわたさいこさん(南部町在住)は、女子美術大学芸術学部デザイン科を卒業しました。結婚・育児で一時制作活動から遠ざかっていましたが、子育ての生活の中で、デッサン画のために身近な植物を下絵のつもりで描いているうちに、植物の持つ生命力やみずみずしさにひかれ、植物画を本格的に描くようになりました。

 1997年(平成9)からNHK文化センターで教えるようになり、現在、他のカルチャースクール等でも多くの皆さんの指導をしています。

 いわたさんの植物画は透明水彩で葉の光沢や花びらの質感が緻密に描かれ、人の心を和ませてうっとりさせるほど美しく仕上げられています。

 

 本展では、万葉集に詠まれた花を描いた作品を47首の歌と共に紹介しています。描かれた花を通して奈良時代の歌人の思いに寄り添うことができるかもしれません。

 万葉の花々のほか「ぼたん五輪」「ヒマラヤ杉」などのいわたさんの作品に加えて教室の皆さんの作品を合わせて全部で136点を展示しています。

 

 この機会にぜひいわたさいこさんと70人の植物画の世界をお楽しみください。

 

(祐生出会いの館  野口玲子)

 

【開催期間】平成30年8月27日(月)まで
【開館時間】9時~17時
【休館日】毎週火曜日
【入館料】

一般:300円

高校・大学生:200円(15名以上の団体割引あり)

※身障者手帳所持者と介護者1名無料

 【問い合わせ】

南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008

TEL/FAX 0859(66)4755

植物画の集い~いわたさいこと70人の世界

 

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