あげそげコラム

一覧はこちら

コラム掲載号:180427

祐生コレクション「祐生の憬れた大阪・名古屋・東京」


  • 1916年(大正5)飯田呉服店(高島屋) 北野恒富原画
    1916年(大正5)飯田呉服店(高島屋) 北野恒富原画

 祐生に都会の様子を知らせたのは、恩師で横浜に新天地を求めた原乕男先生でした。原先生から祐生に毎月『少年世界』『少女世界』の雑誌等を送られ、東京・横浜の絵葉書などに加えて、日記帳も届けられました。これによって祐生の記録は1908年(明治41)19歳になる年から開始されました。

 日記によると、1908年(明治41)には白木屋「流行」、三越「三越タイムス」、大丸「衣装」翌年には飯田(高島屋)「新衣装」、いとう(松坂屋)「モーラ」が毎月のように届き、祐生は一流の画家の描く表紙絵を描き写して楽しみました。ポスターは1917年(大正6)9月5日に三越呉服店から送られたものが最初でした。祐生と憧れの大阪・名古屋・東京との本格的な交流は、大阪朝日新聞が収集家30人を紹介したことで一気に進展しました。

 記者の青贒肇(あおかつなが)氏を介して大阪の人との交流を開始しましたが、その中で神戸高等商船学校教授中川静氏からポスター収集の意義について教示を受けるなど、様々な人たちから収集の在り方を教えられました。次いで参加した我楽他宗(がらくたしゅう)では、名古屋・東京の趣味人と交わることになり、より洗練され「後世の参考とする」収集へと発展していきました。

 この度、祐生の憧れた大阪・名古屋・東京のポスター、絵葉書、表紙絵など128点を展示しました。大正ロマンと言われる和洋芸術の融合の美や、職人技によって印刷された美人画ポスターなど、当時の都会の華やかさをお楽しみください。

 

(祐生出会いの館 猪原加代子)

 

【開催期間】平成30年6月4日(月)まで
【開館時間】9時~17時
【休館日】火曜日
【入館料】

一般300円、高校・大学生200円、小・中学生無料

(15名以上の団体割引あり)

※身障手帳所持者と介護者1名無料

 【問い合わせ】

南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008

TEL/FAX 0859(66)4755

祐生コレクション「祐生の憬れた大阪・名古屋・東京」

↑ページ上部へ