あげそげコラム

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コラム掲載号:20180420

アール・ヌーヴォーの華 ミュシャ展 開催

  • 《ジスモンダ アメリカンツアー》1895年 OZAWAコレクション
 213×75センチ
    《ジスモンダ アメリカンツアー》1895年 OZAWAコレクション  213×75センチ


 今回、米子市美術館で4月28日から開催する「ミュシャ展」では、古代アテネを舞台にした恋愛劇のポスターとして制作された出世作《ジスモンダ アメリカンツアー》をはじめ、デザインに関するアイデアを集約した図案集である《装飾資料集》や書籍の挿絵、祖国・チェコへ帰国後に手掛けた切手や紙幣等、様々な作品や資料約400点を一堂に展観します。  展示作品の中には、当時制作されたポスターや大型の装飾パネルはもとより、類まれなデッサン力や卓越したセンスが遺憾なく発揮された、人々のくらしを彩るビスケットの缶や香水のパッケージデザインなど、19世紀末当時の生活の様子を垣間見ることができる作品も展示予定です。これらの作品の数々を鑑賞していると、ふと当時の華やかなパリの街並みの中ウインドーショッピングしているかのような、心踊る気分になります。

 

 ミュシャの作品は、美しい作品が多く、見ていて心癒されますが、チェコ帰国後は、国家行事のポスターや紙幣・切手などのデザインを手掛け、祖国発展のために尽力、ルーツであるスラヴ民族をテーマにした作品を数多く制作するなど、祖国に対する深い思いが作品に表現されています。

 実際の作品を目の前にして鑑賞すると、ポスターなどは多数の版を重ね、金色なども用いた手の込んだ制作過程が取られていることや、印刷物で見るよりも、思いのほか大型の作品が多く特に身の丈ほどの作品は、その迫力に思わず圧倒されてしまいそうになります。  特に、本展では特別に米子市が収蔵したガレやドーム兄弟の作品「井上幸夫・英子コレクション」を一部展示、「自然」の美しさを模範とした、装飾性の高いアール・ヌーヴォーが華やかなりし当時の雰囲気をより多角的に感じられる構成となっています。

 昨年の国立新美術館で開催された「ミュシャ展」の大成功など、再び注目を集めています。ぜひこの機会にミュシャの活動の軌跡を辿りながら様々な作品をごゆっくり鑑賞ください。

 

(米子市美術館 副館長兼統括学芸員  今 香)

会 期平成30年 4月 28日(土)~ 6月 3日(日) [会期中無休]
時 間午前10時 ~ 午後6時[最終入館は午後5時30分]
会 場米子市美術館
観 覧 料一般 1,000(前売 800)円 、高校・大学生 600円(当日券のみ)、中学生以下無料
問合せ

米子市美術館 米子市中町12番地

☎0859(34)2424

http://www.yonagobunka.net/y-moa/

 

 

 

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