デジタルあげそげ

　米子市在住の玉井詞氏は、絵本作家・画家として活躍しています。1984年(昭和59)『ギギギ―鯨の海と根っこの島』を出版以来、絵本を12作品出版してきました。その作品は高い評価を得ており、『木仏（きぼとけ）』はイタリア・ボローニャ国際絵本原画展に入選しました。また、TBSテレビ「まんが日本昔ばなし」12作品の演出・美術を担当したり、NHK-Eテレ「てれび絵本」に作品を提供したり、雑誌のイラストを担当したり、出版・テレビ各方面で活躍しています。一方、2000年(平成12)から「もみの木福祉会」のアート支援員を務め、障がい者アートの支援活動に力を注ぎ、2003年(平成15)に米子市文化奨励賞を受賞しました。 2005年(平成17)からは、「たまいつかさ自由画教室」を主宰し、子供たちの想像力を育て、表現の楽しさを伝える活動を行っています。

　本展では、絵本作家デビュー作『ギギギ―鯨の海と根っこの島』、『木仏』、『秘密のマント』、『よだかの星』の原画等7１点を展示しています。玉井氏の原画はペン画で表現された白と黒のモノクロームの世界です。玉井氏は、絵本原画展開催あたり「絵本づくりのこと」のなかで「黒のペンだけで描く世界は、描くほどに奥が深く、創造力をかきたてる豊かさがありこの世界観がとても気に入っています。」と書いています。玉井氏が出版した絵本作品は、そのほとんどが絶版などで、現在手に入れることが難しくなっています。ぜひ、この機会に、玉井氏の絵本の世界をお楽しみください。

（祐生出会いの館 野口玲子）