板祐生の駅弁掛け紙の収集は、大正8年から昭和10年にかけて約1380点に上ります。この度令和2年の駅弁掛け紙図録東日本編に続き、西日本編の原稿が完了しました。 本展では、この原稿をもとに、北陸本線・関西本線から鹿児島本線までの駅弁掛け紙に加え、駅弁に付けて出された箸袋や食堂車案内、当時の朝鮮・満州国で販売された駅弁の掛け紙等約600点を展示しています。
当時の掛け紙には地方の名所・旧跡が紹介されていたり、乗換案内や乗車マナーなどが記載されていたりして、乗客が安全に楽しむことを優先に工夫されています。 また、1922 年(大正11)の「平和記念東京博覧会」や「イギリス皇太子来日歓迎」は全国の掛け紙に統一記載されました。
時代の経過とともに、鉄道の高速化によって目的地まで所要時間や停車時間の短縮、そして窓の開かない車両設計により、鉄道構内での駅弁販売は減少しています。ですが米子駅・松江駅・岡山駅などには、100年以上続いて現在も営業しているお店もあります。
東京・京都間が15時間かかった時代、展示した駅弁掛け紙や食堂案内からは、鉄道で旅を楽しんだ時代が伝わってきます。旅の友であった駅弁の掛け紙から、地方の自慢と当時の風情をお楽しみください。
(祐生出会いの館 野口玲子)
【開催期間】 | 令和4年10月10日(月)まで |
【開館時間】 | 9時~17時 |
【休館日】 | 火曜日 |
【入館料】 | 一般:300円、高校・大学生:200円 |
【問い合わせ】 | 南部町祐生出会いの館 西伯郡南部町下中谷1008 TEL/FAX 0859(66)4755 |